方向性

14日の事務所界隈は意外に人出があったものの、さすがに今日は静か。法務局もガラ~ンとしていて、おかげで普段は忙しい担当官とゆっくり話ができました。

ここ数ケ月前から、取り扱う仕事の構成比に変化が起きています。具体的に何がどうなった、というハッキリした区別はできませんが…

 A 頭を使って選択肢を「複数」用意すること

 B スピード感を持つこと

 C クライアントはじめ、周囲の方々と協働すること

この3つのスキルが求められる案件が増加の傾向に。中には、開業当時まったく想定しなかった方法で進めている案件もあります。

特にAにある「複数」は、司法書士のメイン「登記申請の代理」には、あまり必要のないスキルだろうと私は思います。なぜなら、確定した事実やスキーム通り登記する以外ないため、申請の段階で別の選択肢を用意したり、アレンジする余地がないからです。

 ― ゆえに、差別化が図りにくい ―

この点にはずっと問題意識を持っていました。が、今は有り難いことに…

 1 ある目的を果たすため 

 2 いま何を行うべきで、

 3 選択の結果、どのような登記を申請することになるか

というステップの1から関与できる機会が増えてきたので、楽しいです。その分だけ勉強すべきことや作業の量は必然的に増えますが、プロとして対価を頂く以上、当たり前。ずっと目指していた方向に、少しずつでも近づいているのかな、と考えたりもします。

目指す方向に導き、後押ししてくれる周囲の方々やスタッフに感謝です。

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相互に、能動的に。

しばらく前から、お客様との連絡に携帯メールを活用しています。お客様は携帯からパソコンへ、ウチはパソコンから携帯へと。

もちろん全てでなく、面談・電話・メールを局面に応じて使い分けるのですが、お互いにメリットがあるようで。

同じ携帯へなら電話で十分では?とも考えられますが、事務所から架ける時は(仕事中かな?・運転中かな?)と少々気を遣いますし、あるお客様曰く、電話を受ける側も(何かあったのかな?)と一瞬身構えてしまうとのこと。

そうした、お互いの小さな心理的負担を取り除けないか、と試験的に始めたことですが、思わぬ副産物が得られました。コミュニケーションが密になったのです。

例えば…

事務所からのメール

  「書類ができました。○日受け渡しでいかがでしょうか。」

  「任意整理の件、○社と和解できました。あと○社です。」

お客様からのメール

  「○○の書類が揃いましたので、郵送します。」

  「費用を振り込みました。ご確認下さい。」

こうして相互に、細やかに情報交換できますので、能率も高まります。何より嬉しいのは、携帯メールという手軽さもあってか、お客様が能動的に連絡を下さることです。

デメリットといえば、設定状況次第では迷惑メールが届いてしまうという理不尽な悲劇。皆さん、この点は携帯各社の「迷惑メール防止機能」をご利用下さいませ。

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ピース探し

早いもので、1年の半分が過ぎました。

ムスメの成長を眺めていると、特にそう思います。少し前までハイハイがようやくだったのに、つかまり立ちを軽くこなし、今はトコトコと行きたいところへ。たまに暴走する時があって、ハラハラさせられたりもします。

そうして過ごすうち、仕事の受託件数がこの6ヶ月で過去1年分を上回りました。去年の約2倍のペースで歩いてきたことになりますが、それでも息切れせずに済んだのは、限界が来る前にスタッフを迎え入れたことと、もう一つ、環境に恵まれたこと。

私は多分「いつも渇いている」タイプなのでしょう。良い時も悪い時も(明日は/来年は/10年後はどうか?)と常に考えているところがありまして。それは臆病なのか?欲張りなのか?それとも他の何か…?突き詰めはしませんが、やっぱりそう。「完成することの無い」パズルのピースを探し続けている、そんな感じかも知れません。

環境に恵まれた、というのは、そうした隙間だらけのパズルが少しずつ埋まってきたからです。親しくお付き合い頂いている方々・仕事の性質・求められる成果、そうした環境がピースを見出すヒントになったのかな、と思ったりします。

‘ピース探し’大いに結構。だから、人生は楽しいのです。

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伝えること

今日は普段より、ホームページをご覧になられた方のアクセスが多い日でした。

ウチの場合、ホームページからのコンタクトはメールか電話ですが、この比率は最近、メールの方が大きくなりつつあります。メールでの伝え方は簡潔明瞭なものから詳細なものまで、実にさまざまです。

返信の時(申し訳ないけど仕方ない…)といつも思うのは、どれだけ詳しく書かれたメールでも、断定的な判断や回答まではできないし、してはならないということです。せいぜいが一意見程度。行き違いが生じないよう、直にお会いし、お話を伺うことになります。

ただ、詳しく書くということが、文字数に比例するだけの問題意識を持ち、それを相手に伝えようとする心の表れだとすれば、期待を裏切らない応対を心掛けたいものです。

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自己表現

金曜の夜は、プライベートでご縁のあった方に誘われて飲みに出掛けました。

メンバー全員がほぼ同世代、しかも経営者が中心ということもあり、話題に共感できる部分が多く有意義な時間でした。皆が揃って自分のビジネスの話をせず、場の雰囲気に合わせて会話を進めるあたり、居心地の良かった一番の理由だと思います。

しかし、ビジネスの話が出ないとはいえ、何となく、その場にいる誰もが日々の仕事を丁寧にこなし、顧客の満足を得ているのだろうと思わせる雰囲気が出ていました。そうした感じは言葉で表現しなくとも、姿勢から自ずと滲み出るのかも知れません。

その次の日、奥さんと連れ立って美術館へ-。

ある画家が、カンバスに向かっている他の画家の姿を描いた絵が気に入りました。きっと描かれた側の画家は、傍で見ていて描きたくなる位に一心な姿勢で絵を描いていたのでしょう。審美眼に自信はありませんが、直感的に思ったことです。

その夜はジャズバーへ-。

楽器といえばピアニカとたて笛の経験しかない私。しかし聴くことには興味があり、実はそれよりも演奏者を眺めるのが好きで足を運びます。特に表情と指先に注目するのですが、実に繊細。いかに五感を集中して奏でているかが分かり、見ているこちらの感覚までもが研ぎ澄まされる気がして、つい聴き入ってしまいます。奥さんも私と同じ感想を抱いたらしく、これもやはり、言葉抜きで直感的に伝わるのでしょうか。

自分の姿勢は、誰かに何かを伝えているか?と思い返せた週末でした。

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本当の意思

今日は女性より男女問題のご相談が重なり、打合せに大半を費やしていました。

貸金など争点(貸し借りの事実)・目的(返して欲しい!)が明確な事件であれば、検討するポイントが自ずと絞られるため、それ程の時間を必要としないことが多いです。

しかし、感情が深く影響する事件、とりわけ男女問題では、その深さ相応に時間を割き、聞き取りを綿密に行うことが大事だと思えます。

例えば慰謝料のご相談に与り、ご事情やお気持ちを伺っていく中で、実はまだ相手方に想いが残っていて、自分の「本当の意思」ではお金での解決なんて望んでいない、という話が飛び出てくることもあったりします。

仮にこうしたケースで結論を急ぎ、「慰謝料請求ですね。では、内容証明送っておきます。揉めたら訴訟しましょう。」と、法律論だけで対応してしまった場合を想像すると、一種の空恐ろしさを感じてしまいます。

お金が得られたとしても、その分、別の何かを失ってしまいかねませんから。

男女の話に王道は無いんだなぁ、としみじみ思った一日でした。

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役割分担(下)

仕事のスケジュールを組んでいると、今週末も休日出勤になりそうです。「亭主元気で留守が良い」なんて言葉もある位ですから、奥さんは喜ぶことでしょう。

少し間を置いてしまいましたが、前回の続きです。8月27日の自分は何を考えていたのか思い出しながら…。

結局のところ、依頼者・受任者(私)がお互い『相手に任せる』だけでは、何かが足りないと思うのです。『任せる』は、ちょっと聞くだけでは耳障りの良い言葉ですが...

①煩わしいから任せる。

②信頼しているから任せる。

の2通りの意味があり、仮に①であれば、少し考えものだと思います。それは役割分担でなく、一方的な義務の押し付けに過ぎないからです。

例えば、私が依頼者にある重要な意思決定を求めるとします。破産するのか?それとも再生するのか?といった場合です。ここで「任せる。」と言われれば、「それではダメです。自分で決めてください。」と答える以外ありませんし、現にそうして来ました。判断材料を出すのは私の役割、意思決定を下すのは依頼者ご本人の役割ですから。

委任者と受任者の関係。願わくば『車の両輪』でありたいものです。

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役割分担(上)

昨日・今日は休日出勤。来客も電話もありませんので、デスクワークや考え事にじっくり取り組めます。こうした時間につい考えてしまうのが、いかに効率良く仕事をするか?ということです。もちろん、手を抜くなどという意味ではなくて。

特に、債務整理関係の仕事をする時強く思うことですが、委任者(依頼者の方)と、受任者(私)との間で、信頼関係をベースにしたある種の「役割分担」が必要なのかな、と。

委任者の役割は、事実を話すことと、必要資料を揃えること。そして何より、現状に問題意識を持ち、真摯に解決を望むこと。これら全てが揃って初めて、受任者の役割、つまり、委任者の視点に立って、解決を「後押し」する義務が発生するのだと思うのです。

依頼者ご本人の意思と無関係では、決して成り立たない仕事ですから。

仮にこの前提を欠いてしまうと、受け側主導の「あるべき論」が一人歩きしてしまい、例え結果が出たとしても、(それは委任者が本当に望んだことなのか?)という事になりかねません。後で「実は、破産したくなかった…。」みたいな話になると、大変です。

これを避ける為には、何でも話せる雰囲気を作る努力が必要ですし、問題意識を持って頂くため、敢えて耳の痛い話をする事もあります。また、自殺や蒸発を口走る位に深い悩みを抱えた方も少なからずおられますが、この場合、デメリットの説明はひとまず後回しにし、まずは「安心」して頂くための工夫も考える必要があります。このように考えてみれば、私の役割は、名刺交換の時から始まっているのかも知れません。

中途ですが、続きは次回へ。

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生き生きと

今日は、高齢者介護施設に入所されている方のもとへ、登記申請の意思確認へ。

登記は書面による形式的審査なので、書類に不備がなければ実行されます。例外的な場合を除き、当事者本人に「この登記、本当ですか??」などと法務局から尋ねられることもありません。

とは言え、書類さえ整えば大丈夫!ということはあり得ず、大事なのは、当事者の方と可能な限り面談して、登記の「実体」と「意思」を確認することです。

初めて訪ねる場所でしたので、(このような所で、デリケートな話をして良いものか?)と、若干緊張しながら足を踏み入れたのですが、すぐにリラックス出来ました。広くてキレイな歓談スペースで、皆さん思い思いの場所で本を読み、談笑しておられましたから。今回の面談は、こことは少し離れたスペースで行うことが出来、一安心です。

依頼者の方は、編み物をしたり、テレビを見たり、体操したりなど充実した毎日を過ごされている様子で、初対面にも関わらず、終始にこやかに応答して頂けました。

(こうした年の取り方をしたいものだ。)と、まだ先の事ながらつい考えてしまいます。

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資格を取ること

夕食後リビングで休んでいたら、奥さんより「この記事どう思う?」と、ある雑誌を手渡されました。「仕事につながる資格」について特集が組まれたものです。

読んでみると、カテゴリを問わず、資格の魅力についてたくさん書かれています。資格の紹介や、転職に繋がったり、評価されて給与が上がったりした体験談などです。

資格を取る動機としては、私個人、2つあると考えています。

①「現在」携わっている仕事に役立つ … 例えば、経理担当者が簿記検定を受けるなど、直接業務に結びつく場合。

②「将来」携わろうとする仕事に必須 … 士業など、その業務をするには資格が欠かせない場合

私としては、①・②のどちらにしろ、資格は仕事の「手段」であって、目的そのものにはなり得ないのではないか?と。ですので、最近よく目にする資格関連の広告や雑誌を見ていると、どうも資格それ自体が過大評価されている印象を受けたりします。『年収○○円!』や『ステータスが上がる!』などが、私の感じるその代表的なものです。

私見ながら、資格はあくまで「オプション」。基礎能力を担保するものでしかありません。

取得後にそれをどう旋回させ、仕事に役立てるか?に関心を持ちたいものです。

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ゆっくり歩いてみる

今日はよく晴れていたので、普段は自転車で訪ねる客先まで歩いて行きました。

事務所のすぐ近くには御堂筋が走っており、今の季節は街路樹が青々としてとても良い感じなので、早く通り過ぎてしまうのは何か勿体無い気がしたのです。

ゆっくり辺りを眺めながら行くと、普段は見えない景色が見えてきます。

ビルがいつの間にか建て替わっていたりすると、普段から使っている道ながら、なぜか不案内な所に来たような錯覚をします。良さそうな居酒屋を見つけて、(もっと早く気付いておけば良かった…)と後悔までしたりして。

仕事もそうかも知れません。日常業務だからと慣れに任せて処理してしまうと、目の前にある筈の何かをつい見過ごしてしまったり、悪くするとミスをする危険が出てきます。時間がなくとも、分かりきった事でも、じっくり六法の条文を辿りながら取り組むのも良いかな、と思えた散歩になりました。

こう考えていると、大阪司法書士会から通知のFAXが。題して「不動産登記規則附則第16条の登記手続について」。タイトルだけでは理解に苦しむものです。

さ、条文を読むとしますか。

【井上法務事務所よりお知らせ】

民事訴訟(本人訴訟支援・少額訴訟・支払督促)のページを掲載しました。

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仕入と在庫管理 下

前回の続きです。

仕入の後には当然「販売」をしなければなりませんが、これはもちろん、開発した商品(=法的サービス)を顧客に紹介したり、納品したりすることです。

次に、私が士業に感じている魅力の一つに、「在庫管理が簡単」という点があります。

(無形のサービス業なのに「在庫管理」ってなんだ?)と思われるかも知れませんが、それは、「ノウハウ」の取捨選択だろうと私は考えています。不要なノウハウはアタマから消去すれば済むので、保管のため倉庫を借りる必要もなければ、不良在庫を抱えるリスクもありません。

この点、司法書士試験は実務直結型ですから、合格した時点である程度の在庫が蓄積されるため、なかなか能率が高いと思います。もっとも、それ以後の改正法への対応や、若干の工夫は必要ですけれど。

結局、仕入と在庫管理は大事だ!というビジネスの基本でオチがついてしまいましたが、書いているうちにもう一つ発見がありました。これはまた次の機会に。

もう一つ、商品紹介のパンフレットと位置付けているホームページを更新しなければなりませんが、ムスメと遊びたい誘惑にかられる今日この頃です。負けないようにせねば。

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仕入と在庫管理 上

待ちわびたGWもいよいよ本番。天気も良し!

例年なら嬉々として遠出などするところ、今年は違う意味でこの時期を待っていました。一度アタマの中を整理して、山積した課題に取り組んでみたかったのです。

日常業務の中で考えていること、得た知識・経験などの諸情報を体系付け、相互にリンクさせる作業の必要をかなり感じていたためです。もちろん、それらのアップデートも。

例えば、会社法の知識を活用出来るレベルまで高め、出口に商業登記があればそれも意識して組み立てる。こうした思考プロセスを経ることで、提案すべき先、作成する書類、要検討事項などが次第にピックアップされてきます。私はこの作業を商売でいう「仕入」と位置づけています。

長くなりそうなので、続きは次回に書きます。

みなさん、良いGWを。

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会社法

今日から「会社法」がスタートしました。

日本経済新聞には特集記事が組まれ、リードには次のように書かれています。

『会社運営の自由度を高めたのが大きな特徴だ。会社の規模別では大多数を占める中小企業を含め、法律をよく知ってうまく活用するかどうかで、企業の競争力や将来に向けての成長力にも差が出てくる』

企業法務に携わる司法書士としては、この記事にあるように「法律をよく知って」にとどまらず「うまく活用する」方法を進んで提案することを意識しなければ、と改めて思います。

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100を120で

顧客企業向けの‘会社法対応提案書’がようやく仕上がりました。

聞き取りと分析にほとんどの時間を費やした作業でしたが、先方の積極的な協力のおかげで、実行の目処が立ってホッと一息です。

この件は過程が大変面白いもので、私が例えば、

「現状のAはBに活用できますよ。」

と社長さんに説明すると、

「では、そのBはCにも使えますか?」

と、何ともシビれる質問が返って来る。この繰り返しだったのです。

そのように問われると人間不思議なもので、(このBをCへ、更にはDにも応用できないか?)と、何とか方策を考えてみたくなるんですね。仕事相手に恵まれたこともあってか‘提案することの妙味’を少し味わえた気がして、実行前ですがある程度の達成感を得ることができました。

100の求めに対して、100で返すのは簡単。

100を120で返すことを意識していれば、またこういうチャンスも巡って来るかな?と思えた、とても印象に残る事案です。

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費用の事前説明

一般的に、司法書士の請求書は一見して「高い」と思われがちです。

何故でしょうか?

確かに、司法書士報酬は安くありませんが、別に理由があります。

それは、通常の場合、報酬とは別途に顧客から預る諸実費、中でも「登録免許税」の金額が請求額に合算されているためです。登録免許税とは、登記を申請する際に申請人(=顧客)に課される税金を言いますが、これは司法書士が顧客から預ったお金で収入印紙を購入し、登記申請書に貼って納付することがほとんどです。

例えば、株式会社の設立登記なら最低15万円、土地の贈与登記なら固定資産税評価額を課税標準金額として、これに税率(2%)を乗じた額です。ちなみに、4月1日に不動産登記の登録免許税制が改正され、土地所有権の売買・信託を除いて税率が引き上げられました(正確には、従来の軽減措置が廃止)。

こうした安くない税金を、「預り金」の形で報酬に合算して請求書を作成しますので、合計だけ見れば「高い!」となるのではないかと思います。

私は、顧客の「一体、幾らかかるんだろうか?」という心配を少しでも和らげてもらうため、出来る限り事前に見積書を示しながら内容を説明し、納得を得てから仕事に着手するシステムを採っていますが、その際には、

「合計額は○円で、うち□円が報酬、残り△円が登録免許税の預り金です。」

という説明は必ず入れるよう心がけています。(そんなこと当然!)と思われるかも知れませんが、払う側から見れば重大な関心事。ここで説明不足や行き違いがあると、どれだけ良い仕事をしたところで、以後の信頼関係を築くのは困難でしょう。

細かい作業ですが、仕事内容と並ぶくらい大きなポイントだと思っています。

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無料なら相談しない

10年来の親友が、事務所に電話をくれました。

某企業で活躍している彼について奥さんと話すとき、いつも最後は「あいつこそ独立して欲しいよなぁ。」「そうよねぇ。」という会話で締め括られるような、頼りになる男です。そんな彼が、何か相談事がある様子。

取引代金を払ってくれない得意先があり、どうすれば回収できるか頭を捻っているとの話で、私は、商事留置権と裁判手続について若干の説明をしましたが、しばしの沈黙。どうした…?一呼吸置いて、

「あと、もう一つ。漠然と起業を考えていてなぁ。相談したいので時間とってくれる?」

内心、(ついに来た!)と思いました。「もちろん。今度飲みながらでも話そうか?」と答えたところ、彼の次の一言は面白かったと言いますが、ズキッとしたセリフでした。

「いや、無料だったら俺、相談しない。その代わり、キッチリ仕事してくれよ!」

友ながらあっぱれな言葉に、笑ってごまかすことができませんでした。この仕事をしていると、報酬が発生するタイミングを見失うことがあります。全ての相談事に対して一律に相談料を頂くわけには行かない現実がある中で、彼の一言からヒントを得られました。

『日々是勉強』という言葉がありますが、ホント、よく言ったものです。

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